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岩もあり 木の根もあれど さらさらと
たださらさらと 水の流るる
以前、この詩を何かの雑誌で読んで、日記に書き留めていました。そのときは、作者不明で、それ以来、ずっとずっと、作者を知りたくて探していました。黒田官兵衛(如水)の水五則に興味を持ち、水五則」に学ぶ・・・と題した松原泰道老師の「人徳の研究」を買い求め読み進めていたところ、偶然にも「岩もあり 木の根もあれと゛・・・・」の詩が出てきたのです。一番知りたいことが出てきた瞬間まさに「エエッ・・・・ウソ」の感じでした。このときのでやっと作者について情報を得ました。
(抜粋)
上に立つ者は、常に自分に厳しくしなければならない事実を、『水五則』の第一則は示しているのです。
また、その反面、手本を示そうとか、よく見なさいといった指導意識が目立つと、逆効果になって、とても「他を動かしむる」ことなどできなくなります。リーダーの心がけの重要なことは、『率先垂範』などと肩に力をいれずに、気楽に「自分のすべきことを、するだけのことだ」と柔軟心を忘れないことです。
日本女子大学を卒業後、親鸞の教えに入って出家して尼僧になり、晩年は瀬戸内海の無人島で念仏三昧の行を積んで亡くなった甲斐和里子さんは、敬虔な宗教者であるとともに、すぐれた歌人でもありました。この方が詠んだ、
ひと葉づつ 落ちるもみじ葉 ひと葉つ゜つ
ふもとへおくる 谷川の水
この一首に、管理職やリーダーの理念が読み取れます。つまり、同じ目的を果たすために、個々の人を導き、苦労を共にするのです。
人徳の研究より
私は、松原泰道老師にすぐ手紙を送りました。「甲斐和里子さんについてもっと知りたい、彼女が晩年念仏三昧をした瀬戸内海の無人島について知りたい」と書きました。
しばらくして、松原泰道老師から、葉書をいただきました。それには、老師もある機関紙から引用しただけで、それ以上の情報を持っていないということを素晴らしい字で書いておられました。
今でも、その無人島が氣になっています。なぜか放っておけないのです。
さらさらと ただ さらさらと 水の流るる
「自分のすべきことを だださらさらと無心に するだけのこと」と訳しても、それを実行した彼女の凄さに脱帽です。マザーテレサの「人間にできるもっとも大切なことは、祈ること」 、の言葉とともに、この二人に共通した実践と不屈の精神が、なぜか私の心に、強烈な刺激を与え続けています。「祈ることでしか神に近づけません」とマザーテレサは言ったけれども・・・・私には祈りの世界が無い。竹薮を吹く風の音が、せめて、私の代わりに祈りの風であって欲しい。