温血動物を18度~20度Cまで冷やすと、体温を調節する機能を失い、血液をつくることができなくなり、そして血液の呼吸機能が低下する。長時間、この状態を続けていると、これらの機能が低下したために、脳組織に酸素が足りなくなり、ついには死んでしまう。
それでは人は何度で凍死するだろうか。凍死は凍え死ぬことと普通の辞書に書いてあるので、零度Cにならないと死なないと想像する人もいるかもしれない。
しかし、人はもっと高い温度で死ぬ。体温が27度Cになると凍死する。したがって、短時間ならば裸で雪の中を走りまわっても大丈夫であるが、逆に、気温が10度Cくらいの時に酒に酔って戸外に眠ってしまうと凍死する事がある。
人は体温が35度Cになると方向感覚が鈍くなり、ついで性格が内向的になり、物忘れしやすくなる。さらに30度Cで無感覚になり、27度Cで死んでしまう。
人は、このように体温が30度Cになるとすでに危険であり、27度Cになると凍死するが、一方体温が45度Cになっても死んでしまう。30度C~45度Cの僅か15度の温度差に生きる生物なのである。
それだけに、人は身体を取り巻く環境温度にとても鋭敏に出来ている。これを脳内の温度調節中枢が管理している。この温度調節中枢は、自然界の環境変化にすべて対応できるように設計されていて究極は氷河期を乗り越えられる絶妙の能力までそなわっていると言われている。しかしこの機能にもが弱点がある。それは人工的な冷暖房に弱いことである。
寒い筈の冬に熱すぎるほどの暖房の中で生活したり、暑い筈の夏に寒すぎるほど冷房が効いている部屋で生活するなど、不自然な生活を続けると体内の温度調節中枢が対応できなくなってしまうらしい。
冬の寒さより、夏場の冷房設備の冷えが身体に悪いと言われる。特に車内でのクーラーは、噴出し口の温度が低く手足の指先を極端に冷やす事になる。手足の血液の温度が低くなると腎臓、心臓にも影響が出る。その反面、背中の部分には冷風が当たらないので汗をかいている。冷暖房機器も人体も、冷房運転と暖房運転の両方を一度にはできない構造になっている。
冬は皮下脂肪を熱に変え、夏は汗身体の温度を下げるのが自然の摂理。冬に皮下脂肪を燃やさないから肥満になる。この冬は暖房にたよらず、積極的に皮下脂肪を燃やしてスリムになることをお薦めします。他人事ではなく、私自身も努力しま~す。