生まれし子 しだいしだいに 智恵つきて 仏にとおく なるぞ悲しき
母体から生まれでたときは、みんな無心できれいな純白のままでした。本能的に母親の乳房をまさぐる以外は眠るだけ、必要に応じて泣くだけの自然体でした。
ところが「いや!!」という「自己表示」をするようになると自己の確立、個性の発揮を全面的に出すようになります。孫が「いや!!」を覚えたのは、自己の確立が始まったのです。
「免疫」という言葉をよく耳にしますが、この「免疫」には二つの免疫があると云われています。一つは先天的に生まれ持った「人間として生きるための免疫」、二つ目は「個人として他の人と自分を区別する免疫」です。
後者の「個人として他の人と自分を区別する免疫」が実は厄介なのです。これがあるから個々人の成長があるわけですが 同時に他人と自分とを比較する習慣が身につき、欲という強大な悪魔を引き入れてしまうことになります。私たちの最大の敵は、実は自分の中に巣くっているのです。人間が個人を意識した時、必然的に体内に発生し、ものすごい勢いで増殖する欲というウイルスにはワクチンがありません、特効薬もありません。
心に3つ 身に3つ 口に4つの 10悪業 という言葉があります。
他人を否定する言葉の裏には自分を肯定する心があります。
他人を否定する心の裏には、自分が正しいのだという一方的な思い込みがあります。
他人を卑下する心の裏には、自分を高い位置に置きたいという願望があります。
他人を罵倒する心の裏には、自分を守りたいという信念があります。
私は、これまで数々の強敵に出会った。そしてその強敵をことごとく打ち破り私は最強の王となった。その私の前に、想像を絶する最大の強敵が現れた。
そいつは、私自身だった。こいつは手強い。私を知り尽くしている。私の強いところも弱いところも全部知り尽くしている。私の好きな食べ物も飲み物も女の好みまで知ってやがる。しかも私が見た夢まで知っているから始末が悪い。わたしは戦には強いが誘惑には弱いのだ。
こいつは生涯、俺様の中で俺様を誘惑いう武器で攻め崩そうとしている。あ~あ俺はそれに弱い・・・・・。お前は終生の強敵、俺様の命が途絶える瞬間まで消えないだろう。
お前に勝った時は、俺は最も偉大な王になっている。しかしお前に負けたときは・・・・・・・
いや俺は王だ。負けたことなど絶対に認めるもんか。
もっと早くこいつの事を知っていたらよかったのに・・・・・・・