白川静先生のお顔を見たいとのメールを戴きましたので致知2001年1月号の表紙でご紹介します。
矍鑠たる90歳の風貌、200%命を生かしきった充実したそのお姿はまさに本物です。かくありたい、かくあるべきと強い刺激を受けます。
障害物がペンギンをいきいきさせる
NHKのプロジェクトXで『旭山動物園ペンギンが翔ぶ』のドラマが放映された。入場者激減で一度は閉園状態に追い込まれた北海道旭川市の動物園が、上野動物園を追い越す集客力を上げるまでになった奇跡的な再開のドラマだった。
中でもペンギン館のアイディアは奇抜で、今でも多くの観客を魅了している。それまでは子ども向けの動物園作りだった動物園のコンセプトが大人を楽しませる驚異的な動物園に大変化したのだ。 ペンギン館についてのコンセプトは
、「ペンギンの気持ちになりきった施設づくり」だった。
何もない広いプールでペンギンを泳がしてもぺンギンは喜ばない。障害物を造るとペンギンはその障害物をかわし、次の障害物に備えて動きをつくる。
障害物があることで目標が出来る。ペンギンは、その中で一生を過ごす。その中でいきいきできるような環境を考えてやらなければならない。
今、旭山動物園を日本中の動物園の関係者が訪れて、あらためて動物園のあり方を学びんでいるという。
私たち人間にとっても障害物は、あまり歓迎するものではないが、ある意味では私たちを成長させてくれる目標づくりの1つかもしれない。安穏とした生活が望ましいがそればかりだと竜宮城に行った浦島太郎になってしまうような気がする。