△ 部屋の大雑把な片付けは簡単だが長年溜めているファイルを廃棄する選択に時間がかかる。
学校時代の絵は10冊ほどスケッチブックにファイルし、デジタルカメラに収めてパソコンやモニターテレビで観られるように整理してみたが、その原画を処分する決心はいまだつかない。どんなに綺麗に撮影しても写真は写真、肉筆の原画には書いた時の私の心や思いが籠っている。
それと同じようにお世話になった恩師や先輩からの手紙類もファイルして保管している。それらは時を超えて恩師の年代に至った時に初めて恩師の深い心が理解できるから…。
平成元年の恩師の手紙
前略、三十日に松下幸之助さんの密葬にお詣りし、1日に君の手紙を受取りました。松下さんとは学院以来ご縁が深くいろいろな想い出があります。
僕はこの四月で七十二歳になりましたが、松下さんにあやかって、充実した晩年を生きたいと執念を燃やしています。
人生の勝負は晩年ですからね。ところが君はまだ四十代の半ば、今からシッカリやっておけば、素晴らしい人生が展開するこしは間違いありません。それは僕の喜びでもあります。
今度期末の際、君に会うのが楽しみです。世界の先端を行く整体法の話をじっくりきかせて貰い、見せて貰いたいと思います。
本当にいい便りをくれてどうも有難う。
平成元年五月四日 早朝