人間は忘れる動物である。もし忘れることがなかったら、おそらく精神的にまいってしまうに違いない。
とはいえ、どうしても「忘れてはイケナイこと」というものはあるはず。そういうことを絶対に忘れないためにどうすればいいか?
方法はいたって簡単である。それは、「記憶したい情報に、20秒以上、意識を集中させる」というものである。
人間の脳は、目や耳がキャッチした様々な情報を受け取る。しかし、次から次へと情報が入ってくるため、いわば情報過多になっている。つまり、覚えることよりも捨てることに忙しいのが現実といえばいいだろうか。
そうした状況のなかで、本当に記憶したい情報についてだけ意識を集中させると、神経細胞が働いて新しい記憶の回路ができる。そしてその回路に情報が定着するまでの所要時間が約20秒というわけである。
これは左右脳の研究でしられる故・品川嘉也博士が提唱している方法だが、品川博士によれば、20~30秒(個人差があるため)ひとつのことに意識を集中させれば、どんなに歳をとっていてもそのことは忘れないという。物忘れがひどくなったとか、ド忘れする、ということは20秒間の集中力がないせいだというのである。
なるほど、いわれてみればそんな気がしてくる人も多いのではないか。なにせ歳をとると気が短くなる。ひとつのことに意識を集中できるのは、せいせ゜い5秒くらいという現代人も多いはずで、そうやってパッパッと意識を切り替えていくことが、“仕事が出来る”ことだったりするからだ。
20秒というのは、短いようでけっこう長い。ヘタをすると「20秒」という時間だけ覚えていて、何を記憶しようとしたのか忘れる人もいたりして?
明日は『カルシウムが記憶力を良くする』をお話します。