レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画論
しみで汚れた壁とか斑な色の石を見ることがあると思う。もし何か背景を考え出さなければ成らない場合には、こういったものを見ていると、さまざまな形をした山、廃墟、岩、森、大平原、丘、谷などを配した神韻縹渺たる風景らしきものをそこに想い浮かべることができるだろう。
ダ・ヴィンチは,類まれな直観力と創造力豊かな天才だった。
剣の先のような岩山、土が全く無い処で活き活きと育つ樹木、それに生命を与えていたのは墨で薄く描かれた「霧」であることを見抜いたという。山水画の絵には「朝霧」と「夕霧」が描かれている。そこから『万物の根源は水』という山水画の本質を看破したのだという。
中国には道教など民間信仰において古くから自然崇拝があって,山と水は自然の2大要素とされ,“山水”の語は大自然を意味し,宇宙における地上の事物の発生の根源とされ,万物を生育する神的存在として崇敬されていた。魏・晋・六朝と経過するにしたがい,民間信仰であった神仙思悪・陰陽説・五行思想・道家思想などによりさらに強固に,中国人の根本理念へと育っていった。霊山・名山・聖山などへの崇拝は清泉・神泉・霊泉・瀑布などと結合して,具象的に山水画として描かれていく。その発祥はすでに魏にみられ,晋・六朝時代と漸次発展をとげた。(山水画より)
33年前、旅の車中で偶然聞いた『モナリザ』の話が今の歳になってようやく分かりかけてきた。モナリザがいたずらっぽく微笑んでいる。「貴方はまだ何にも分かっちゃいないわ」と。