上智大学名誉教授 渡部昇一氏 歴史の教訓より 続き
日本人がこの事実に無知であって、どうするのか。だから小泉首相の靖国参拝に中国から理不尽な非難攻撃を受けるような事態になるのである。
中国は靖国神社にA級戦犯が合祀されていることを非難しているが、A級戦犯がなかったということは国際的にも認められ、当時の中国政府もなんの異議も唱えなかったのだから、まったくいわれのない、無茶苦茶な非難であることは、事実を知れば一目瞭然である。
外務省の公式見解がいつからすり替わった
当時の外務省は第11条の趣旨を性格に把握し、これを日本の公式見解として対応した。ところがいつこ頃からか、外務省の公式見解が変わり、日本は東京裁判を受諾した、というふうにすり替えられたのである。
これも聞いた話だが、外務省の公式見解が変わったのは、田中角栄首相が日中国交回復を図った時期だという。これは田中角栄の懐刀として働いた後藤田正晴氏が関わっているということである。どういう意図かは知らないが、東京裁判を日本は受諾したということにして中国の了解を取りつけ、日中外交回復の弾みにしようとしたのだろうか。
この意を受け、皇太子妃雅子様の父君である、当時外務省の条約局長だった小和田恒氏が動いて、条約解釈の整合性をつけたのだと噂されている。
だが私はこの裏付けを取っていない。だから、ここではこういう話もある、というだけに止めておく。
続きはまた明日・・・・・